営業以外の仕事へ転職したい20代へ|強みを生かせる職種と選び方
目次
「毎月のノルマに追われて心が休まらない」「自分には営業以外の適性があるのではないか」と、今の仕事に限界を感じていませんか?20代で「営業を辞めたい」と考えるのは、決して甘えでも逃げでもありません。むしろ、自分の適性や理想の働き方に気づき始めた、前向きな働き方を見直すきっかけといえます。
私は年間で1000名近い転職希望者をサポートしてきました。ご相談では、営業目標や人とのやり取りに疲れながら、「営業しか経験がないので、ほかの仕事は難しいのでは」と不安を感じている20代の方も少なくありません。営業で身につけた聞く力、説明する力、予定を調整する力は、ほかの仕事でも生かせる場合があります。
この記事では、営業以外の仕事を目指したい20代の方へ向けて、営業経験を武器に変える現実的な職種選びと、後悔しない判断基準を整理しました。今の辛さの原因を言語化し、納得感を持って次の一歩を踏み出すための地図として活用してください。
営業を辞めたい理由を整理
よくある悩みのパターン
「営業を辞めたい」という一言の裏には、人によって異なる背景があります。キミナラでは月700件程度のカウンセリングを行っています。ご相談では、「数字が怖い」「人とのやり取りに疲れた」という声もよく伺います。例えば、30代・入社3年目でモヤモヤが続いている方のケースでは、商材自体は好きでも、無理なノルマを達成するために顧客に不誠実な提案をしなければならない矛盾に苦しんでいることがよくあります。
自分を追い込んでしまう前に、まずは自分が次のどのパターンに近いかを確認してみてください。
- 成果へのプレッシャー:
毎月の目標達成(ノルマ)が未達になることへの恐怖や、ランキングによる比較が苦痛 - 対人ストレス:
顧客からのクレーム対応、テレアポでの拒絶、社内調整の板挟みによる精神的疲労 - 商材への不信感:
「本当に顧客のためになっているか」という実感が持てず、自信を持って提案できない
今の状態は、あなたが無能だからではなく、現在の「営業スタイル」と「性格・価値観」が衝突しているために起こっています。
今すぐ結論を出す必要はない理由
心が疲れているときは、「今すぐ辞めて楽になりたい」という極端な結論に飛びつきがちです。しかし、焦って転職活動を始めても、軸が定まっていないと面接で「営業から逃げたいだけ」と判断され、不採用が続いてさらに自信を失うリスクがあります。
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」では、25~29歳の転職入職率は男性15.1%、女性16.8%と報告されています(出典:厚生労働省|令和4年雇用動向調査結果の概況)。
まずは一息つき、「何が嫌で、何なら続けられるのか」を整理する時間を持つこと。それが、最終的に納得のいくキャリアを選ぶための大切な準備になります。今の職場で働きながらでも、将来の選択肢を広げる準備は今日から始められます。
営業がつらい原因を分ける
仕事内容・役割のミスマッチ
営業職がつらいと感じる原因が「仕事の内容」そのものにある場合、無理に営業を続けると心や体の負担が大きくなることがあります。私がカウンセリングで最初に確認するのは、「営業活動のどの工程が一番辛いか」という点です。
- 新規開拓(テレアポ・飛び込み):
見知らぬ人へのアプローチ自体が苦痛 - クロージング(数字の確定):
断られることや、強く促すことへの抵抗感 - 既存深耕(ルート営業):
同じ顧客と長期的な関係を築く際のしがらみが重い
例えば、「営業職で数字プレッシャーが続くケース」では、目標設定が自分のコントロールできる範囲を超えている場合に強い無力感を感じます。これが原因の場合、単に会社を変えるだけではなく、「数字を直接追わない職種」への転換を検討する必要があります。
職場環境・人間関係
営業という仕事自体は嫌いではなくても、上司の詰めや、数字至上主義の殺伐とした社風が原因で「営業はもう嫌だ」と感じているパターンも少なくありません。これは「営業が向いていない」のではなく、今の職場の「営業文化」が合っていないだけです。
特に20代は、配属された部署の雰囲気が「営業のすべて」だと思い込みがちですが、実際には「顧客の課題解決をじっくり楽しむ営業」や「チームで目標を追う文化」を持つ会社も存在します。原因が環境にあるなら、職種を変えずに会社を変える、あるいは社内異動で解決できる可能性が高いでしょう。
価値観と仕事のズレ
自分自身の人生観や仕事観と、営業に求められる役割がズレている場合です。例えば、「人の役に立ちたい」という思いが強いのに、会社の利益のために不要なオプションを売らなければならない環境は、深い精神的ストレスを生みます。この場合、どれだけ年収が高くても幸福度は上がりません。自分が仕事を通じて何を実現したいのかという内面的な価値観を見つめ直す必要があります。
今の職場で変えられるか
「営業以外の仕事に転職したい」と考える前に、まずは今の職場で状況を好転させる余地がないかを冷静に見極めることが重要です。転職には大きなエネルギーが必要であり、リスクも伴うからです。
判断の基準とタイミング
改善の見込みがあるか、それとも脱出すべきかの判断基準は、次の3点に分けて考えられます。
- 健康への影響:
眠れない、食欲がないなど、体にサインが出ている場合は「即脱出」を優先する - 改善の主導権:
自分の工夫や上司への相談で、担当業務や目標設定が変わる余地があるか - 成長機会:
今の辛さを乗り越えた先に、自分が望むスキル(例:次の仕事でも使える経験)が得られるか
相談経験をもとにした例で考えてみましょう。個人を特定できないよう内容を再構成しています。営業から別部署への異動を相談し、顧客対応の経験を生かせる業務へ移った方がいました。転職活動を始める前に、社内で担当変更や異動ができるかを確認する方法もあります。
異職種へ移ると、基本給、営業手当、賞与の仕組みが変わり、収入が上下することがあります。現在の手取りと毎月必要な生活費を確認し、求人票では基本給・手当・賞与を分けて比べましょう。年収だけでなく、残業時間、休日、仕事内容も同じ表にすると判断しやすくなります。
今の職場でできること
業務・役割の見直し
今すぐできることとして、自分の業務フローを分解し、負担を減らす工夫をしてみましょう。例えば、顧客へのアプローチ方法を変えたり、事務作業の時間をまとめて効率化したりするだけでも、心の余裕が生まれることがあります。
業務分担を見直したことで残業が大幅に減り、精神的なゆとりを取り戻した例もあります。すべてを完璧にこなそうとせず、「何に注力し、何を捨てるか」を選択することは、どの職種に移っても必要なスキルです。
職場内での相談・異動の検討
上司に「今の営業スタイルに悩んでいる」と正直に相談してみるのも一つの手です。真っ当な上司であれば、あなたの適性を考えて担当顧客の属性を変えてくれたり、サポート業務を多めに振ってくれたりと調整してくれる可能性があります。
また、大きな組織であれば「社内公募制度」を利用し、未経験の部署へ異動する選択肢も検討しましょう。社内異動では、給与や福利厚生などの条件がどう変わるかを会社に確認してください。もし相談しても「営業は数字がすべてだ」「我慢が足りない」と一蹴されるようなら、今の会社以外の選択肢も調べるきっかけになります。
4つの選択肢を比べる
それぞれの違いを確認
「営業以外の道」を模索する際、選択肢は一つではありません。現状を改善するための主要な4つのルートを整理しました。
- ① 現職での環境改善:
上司への相談や業務効率化で、今の役割のまま負担を減らす - ② 社内異動:
同じ会社内で、営業事務、人事、企画などの異職種へ転換する - ③ 営業スタイル・業界の変更:
「新規・個人」から「既存・法人」へなど、営業の種類を変える - ④ 異職種への転職:
会社そのものを変え、全く新しい職種に未経験から挑戦する
これまでの相談で見られた傾向を、例としてまとめます。今の会社での異動と転職を比べた結果、働く条件や任される仕事を確認してから判断した方がいました。年齢や職種だけで決めず、自分が減らしたい負担と残したい経験を基準に比べましょう。
自分一人で考えると、「今の営業が嫌い=仕事そのものが向いていない」と極端に考えてしまいがちですが、カウンセリングなどの第三者の視点を入れることで、「商材選びを間違えているだけ」「今の社風が合わないだけ」といった別の要因が見えてくることもあります。
強みを生かせる職種と選び方
営業職として働いてきたあなたは、「自分には何もスキルがない」と思っているかもしれません。しかし、営業経験は、応募先の仕事内容とつながる部分を選んで伝えることが大切です。顧客の話を聞くことや、目標から行動を考えた経験を生かせる仕事があります。
営業経験を生かせる仕事
営業経験を生かせる仕事には、いくつかの選択肢があります。以下の職種は、営業で培った「コミュニケーション能力」や「調整力」が直接的な強みになります。
- カスタマーサクセス(CS):
既存顧客の成功を支援する仕事。営業で培った「ヒアリング力」と「提案力」がそのまま活きます。 - キャリアアドバイザー・人事:
人の適性を見極め、伴走する仕事。営業の「相手の話を聞き、行動を後押しした経験を生かせます。 - 営業事務・企画補助:
営業の動きを熟知しているため、先回りしたサポートが可能です。予定や作業を調整した経験を生かせます。 - マーケティング:
顧客がなぜ買うのかを分析する仕事。営業現場での「生の声」を知っていることは、顧客を理解する材料になります。
自分に合う仕事の選び方
カウンセリングでは、私が相談者と一緒に行うことがある整理方法です。私がまずお聞きする次の3点を、10分だけ書き出してみましょう。
- 営業で負担だったこと
- 比較的やりやすかったこと
- 周囲から頼まれたこと
たとえば「新規開拓はつらいが、既存顧客への説明や社内調整は得意」のように分けると、職種を選ぶ手がかりになります。
職種を選ぶ際は、今の「嫌なこと」が再発しない条件を優先しましょう。例えば、「ノルマが嫌」なら達成目標のないバックオフィス職へ、「対人ストレスが嫌」ならエンジニアなどの専門職へ、といった切り分けです。
ただし、未経験職種への転職は、一時的な年収ダウンや選考難易度の向上というリスクを伴います。特にマーケティングや人事は人気が高く、20代後半になると実務経験が重視されるため、ポテンシャル採用の枠があるうちに動くのが賢明です。
営業経験を伝える方法
異職種への志望動機では、単に「営業が辛かった」と言うのではなく、営業スキルを「ほかの仕事でも使える力」に言い換えてアピールしましょう。
- テレアポ力:
相手の懐に飛び込む力 → 「潜在的なニーズを引き出すヒアリング力」 - 日程調整・管理:
多数の顧客対応 → 「複雑な工程やタスクを管理するマルチタスク能力」 - クレーム対応:
ピンチを切り抜けた経験 → 「高いストレス耐性と、誠実な問題解決力」
このように言葉を変えるだけで、営業経験を応募先でどう生かすかが伝わりやすくなります。
転職後の失敗を防ぐ
「営業以外ならどこでもいい」という逃げの転職は、次の職場で「こんなはずじゃなかった」と後悔につながることがあります。同じ悩みを繰り返さないためには、自分なりの「成功の定義」を決めておく必要があります。
後悔しないためのチェック項目
新しい仕事を選ぶ前に、以下の条件を自分の中で優先順位付けしてみてください。
- 感情面:
「何が解消されれば、自分は明日から笑顔で働けるのか」を明確にする - 情報面:
求人票の「未経験歓迎」に踊らされず、実際の離職率や残業時間を口コミサイト等で確認する - 生活面:
年収が下がっても生活が成り立つか、副業や資格取得で補える見込みはあるか
私が担当した相談では、給与だけを基準に次の仕事を選び、営業目標への悩みが変わらなかった方もいました。個人を特定できないよう内容を再構成しています。給与、心身の負担、仕事内容の3つを並べ、自分が守りたい順番を決めてください。
第三者と整理する意味
一人で決めにくい理由
ここまで読んで「自分一人では、どの職種が合っているか分からない」「自分のスキルをどう言い換えればいいか自信がない」と感じる方も多いはずです。実際、自分のことは自分が一番見えにくいものです。
キャリアカウンセリングなどの第三者に相談する価値は、単に求人を紹介してもらうことではなく、「自分の無自覚な強み」を言語化してもらうことにあります。客観的な視点を入れることで、「自分は営業事務に向いていると思っていたが、実は顧客の課題を整理するカスタマーサクセスの方が市場価値が高く、性格にも合っている」といった新しい選択肢が見えてくるのです。一人で決めにくいときは、第三者と一緒に経験や希望条件を整理する方法があります。
キミナラで相談する
転職を決める前でも相談できる
キミナラでは、最初から「転職しましょう」と強く勧めることはありません。まずはあなたが今抱えている「営業への疲弊」や「将来への不安」をそのまま吐き出していただくことから始めます。これまでの相談経験をもとに、あなたの今の状況が、今の会社の問題なのか、営業職そのもののミスマッチなのかを一緒に切り分けていきます。
「営業しか経験がない」という不安を「営業経験があるからこそ、次の職種でこう輝ける」という自信に変えるお手伝いをします。転職前提でなくても構いません。自分の立ち位置を確認し、納得できるキャリアを描くための相談相手として、ぜひキミナラを活用してください。
よくある質問
営業以外にはどんな仕事がありますか?
営業事務、カスタマーサポート、採用、人材サービス、企画補助などがあります。仕事内容は会社ごとに違うため、目標の持ち方や人と話す時間まで確認してください。
未経験でも別職種へ転職できますか?
応募できる求人はあります。聞く力、説明する力、日程調整など、応募先の仕事と共通する営業経験を選んで伝えましょう。
年収が下がるか確認する方法は?
基本給、固定残業代、手当、賞与を分けて比較します。現在の手取りと生活費も確認し、年収以外の勤務時間や休日も一緒に比べてください。
営業を続けるか迷っていても相談できますか?
はい。営業そのものが合わないのか、会社や営業方法が合わないのかを整理する段階から相談できます。
営業の何がつらいのか、どの経験を次の仕事で生かせるのかは、一人では整理しにくいことがあります。
まずは記事内のワークで、負担だったことと、比較的やりやすかったことを分けてみてください。
それでも職種を選びきれない場合は、第三者と一緒に仕事内容や希望条件を比べる方法があります。転職すると決める前から相談できます。
まとめ
営業以外の仕事を考えるときは、職種名から選ぶ前に、営業で負担だったことと生かしたい経験を分けることが大切です。
まずは、聞く・説明する・調整するなど、これまでしてきた行動を3つ書き出してください。そのうえで、仕事内容、給与、勤務時間を求人ごとに比べましょう。
